京都大学大学院 医学研究科人間健康科学系専攻 看護科学コース

[自己紹介]

名前

くまねこ

 

現在の所属

京都大学大学院 医学研究科人間健康科学系専攻 看護科学コース 高度実践研究者養成プログラム 専門看護師課程 クリティカルケア看護学分野

  

看護学生、臨床時代のバックグラウンド

【看護学生】

都内の看護単科大学に入学

BLSやACLSなどを学び普及する救命サークルに所属し、近隣大学の医学生や看護学生、救急救命士学生と一緒に勉強したり教えあったりする機会を持っていました。当時出会った教員や友人に急性期看護への関心を高めていただいたことから、集中治療室への配属を希望しました。

 

【臨床時代】

都内の大学病院、集中治療室へ配属

入職後2,3年目の頃、自分の看護が患者さんにとって本当に良いものなのかどうか、どのように見つめ直したら良いか、迷う日々が続きました。その答えをくれたのは、論文のエビデンスと同僚との数時間にわたる議論の数々でした。そんな日々を重ねるうちに自らの関心がクリティカルケア看護にあることを自覚し、患者さんにとって良いケアを見定め取り入れる力を養うことが出来ればと考えました。前職の病院には新卒から6年間お世話になりました。

 

〈連絡先〉
pi6.milk-sucure.nl8@docomo.ne.jp

 

 

[受験]

その大学院を選んだ理由

今の大学院を選んだ理由は、指導教員です。実践や教育の分野でのご活躍、クリティカルケア看護の未来に対するお考え、努力を続けられる芯の強さ、お人柄に魅力を感じました。縁あって学部生の頃からご指導を受けており、大学卒業後に私が臨床看護師として勤務し困難や葛藤を感じた時も背中を押して下さった安心感がありました。指導教員は前職の大学院をご退職なさる可能性をお持ちでした。私が受験を決意させていただいた時点でご退職や赴任先は未定だったため、大学院選びという点では参考にならないかもしれません。

専門看護師課程を選んだ理由は、専門看護師の役割と自身の関心(実践・教育・研究)が一致していたからです。高度実践看護への関心から専門看護師課程、臨床教育への関心からCNE(clinical nurse educator)コース、EBNへの関心から公衆衛生大学院に魅力を感じそれぞれオープンキャンパスに参加しました。在学なさる先輩のお話を伺う機会をいただき、当時の自分の関心や直近の将来像を最も重ねることのできた専門看護師課程の受験を決めました。

 

試験内容

英語(200点)
専門科目(100点)
面接

 

【英語】
外部試験のスコア換算になるので、当日の試験はありません。TOEFL/TOEICのスコアを出願時に提出します。足切りはありませんが、600〜650点以上取得できていないと、他の科目の点数や研究構想がどんなに優れていても合格は難しいようです。(学部から現役で進学なさった研究コースの方や助産師課程の皆さまはTOEIC800点以上という噂があります)

【専門科目】
試験時間は2時間、自由記述式です。人工呼吸器のモードの説明、Ⅰ/Ⅱ呼吸不全の鑑別、DVT発症の多い診療科、早期リハビリテーションエキスパートコンセンサス看護師の役割、くも膜下出血後4日目の事例提供がありこの時期特有の合併症を踏まえた看護計画を展開せよ、という内容でした。

他のコースと同じ冊子で試験問題の配布を受けましたが、他のコースと比較して問題数は少なく私は1時間ほどで回答を終えることができました。

【面接】
志望動機、所属施設の特徴、患者さんの特徴、臨床で苦労したこと、認定看護師でなく専門看護師をめざす理由、京都大学を選ぶ理由、博士課程への進学など卒後の展望があるか。

現在開講している専門看護師課程の指導教員から3名が面接官をお務めでした。

 

受験の時に苦労したこと

【試験対策】
新規開講となるコースだったので、試験内容が予測できず不安でした。過去問題の閲覧が可能でしたので、他コースの出題形式を参照いたしました。また、教員の近年のご実績に関わるガイドラインや集中治療領域の最新の話題に関する論文を読み込んでのぞみました。

【職場関係】
英語塾通学やTOEIC受験、面談、オープンキャンパス、入学試験のために必要な休日は希望休暇3日間/月の中でやりくりしていたので、受験準備期間は他の理由での休み希望はほとんど提出できませんでした。

【距離】

勤務地は関東、進学先は関西でした。勤務をしながらの受験、物件探し、引越しに関わる諸手続きなど直接出向かねばならない予定の際は日帰りで往復を重ね、時間と交通費に涙が出そうでした。

    

 

入学

退職に至る経緯

前勤務先では退職年度の7月までにその旨をお伝えすることが決まりで、私は6月の面談時にご相談をいたしました。前勤務先の師長には進学を考えていた数年前からお話をさせていただいていており、退職を引き止められることはなく寧ろ相談に乗って下さりました。

有給休暇についてはわがままを言いました。賃貸契約期間の関係で退職5週間前には物件の退去が決まっていました。当初前勤務先からは2週間弱の有給休暇をご提案いただきましたが、自宅外から通勤する上でかかる家賃や交通費の補助は給与に含まないと伺いました。師長さんや人事課との相談を経て、3週間ほどの有給休暇をいただきました。

 

入学前に準備したこと

臨床で疑問に思った感覚を忘れないように、必ず臨床疑問を書きとめるようにしました。その疑問を解決する英語の論文を検索しクリティークする習慣を心がけました。また実臨床での経験はないが資格取得後に看護の対象となることが想定される疾患や治療(私の場合は救急領域)についての本を読んだり、学会発表を進んで拝聴するようにしたりしました。

入学した今から思い返すと、友人知人と広く会って話すこと、メールやご挨拶の際の礼儀作法、データベースを使った文献検索、英語論文への抵抗をなくすこと、体調管理、貯金が大切だったなと思います。

 

 

大学院生活

授業、実習の様子

2年間で50単位以上を取得するのでやはり忙しいです。4〜7月にかけての共通科目は8:45〜18:00くらいまでを基本に週4-5日あります。土曜日に授業はありません。講義スタイル+ディスカッションの授業がメインでした。授業は日本語で行われますが、教科書が全編英語の授業も1つありました。

専門科目はコースによりますが私は6月から始まりました。こちらはほとんどの授業で学生がプレゼンを準備します。資料作りが追いつかずお尻に褥瘡ができそうな毎日ですが、自分が深く勉強したいと思った分野の勉強に対して青天井に取り組めることは幸せでもあります。

折角の総合大学ですので他專攻の授業を受けることができたらと夢見ておりましたが、必修の授業が詰まっており聴講は叶っても履修は難しいです。8月になると共通科目はほとんど終了し授業は週2-3日になります。実習は修士1回生の12月以降です。

 

家庭との両立のコツ

独居ですので、全ての時間を自分に使えます。私は家で勉強できないのでどうしても在宅時間が短くなってしまいますが、短い時間でも家に帰って横になる時間を作るようにしています。

 

大学院にかかる費用と、そのやり繰りのコツ

【出費】

入学金282,000円

授業料535,800円(年額)

国立大学ですので、一律の料金です。

家賃、生活費、実習中や学会などの交通費と宿泊費、食事会や懇親会、コンビニの利用で外食の機会が増えます。また住民税は前年度の収入に基づいて計算されるため、それだけで年間数十万円が飛んでゆきます…。

私は退職し収入がないため、国民健康保険料は減額申請で半額以下になりました。国民年金は学生納付特例制度を利用できます。

 

【収入】

学費に関しては入学金・授業料免除制度を利用できます。

集める書類や手続きは煩雑ですが、過去の報告を見ると、例えば授業料は申請者の46%が全額免除、35%が半額免除、19%が免除不許可となっています。割と高確率なので申請してみても良いかもしれません。

少なくとも現在(修士1回生の8月)まではアルバイトをする時間はありませんでした。やはり貯金に頼らざるを得ない状況です。

 

卒後の進路

医療機関への就職をいたします。就職と同時に博士課程への進学を視野に入れています。

 

 

あなたの研究、実習の様子

「高度実践研究者養成プログラム」であり、課題研究ではなく修士論文を求められます。しかし大変お恥ずかしながら最も困っているところです。

初回実習は12月でありまだ経験しておりません。いくつかの実習は全国の医療機関の中から実習施設を自発的に提案、相談することができます。

 

 

大学院を目指す看護師に一言

進学を考える臨床看護師さんはまだまだ少数です。新しいことを始める、少数派に属するということはとても勇気がいることです。さらに大学院受験や大学院生生活に関する情報はまだまだ少なく、具体的なイメージをしづらかったり高いハードルを感じたりします。

明確な目的や理想の看護師像がなくても、大学院は「自分が行きたいと思った時が行きどき」です。大学院にはいつか行ってみたいけれど、こんな自分にはまだまだ遠い世界…そんな風に何年もぐるぐる考えていた私の背中を押してくれたのはこの一言でした。このページをご覧になっている方は、大学院への進学にご関心を持ち、ご自身で調べ、Nursing academiaにアクセスされる積極性をお持ちです。「大学院が気になる」それだけで十分すぎる進学動機ではないかなと個人的には思います。

看護の仕事にはさまざまな進路があります。たとえ進学の道を選ばれなくても、患者さんへの良いケアを目指し人生の1つの選択肢として新しいキャリアを考える看護職の皆さまを僭越ながら応援しております。

拙い文章にも関わらず関心を持ってお読み下さりありがとうございました。また、このような場を設け自身の体験を振り返る機会を下さった廣瀬様とNursing academiaメンバーの皆様に御礼申し上げます。